制作と広告とお酒と私

制作と広告とお酒と私の話をします。がんばります。

中小零細企業で新規商品・サービスのマーケ担当になった人に知っておいて欲しいこと

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お昼時になると「あー、今日の昼飯なに食べようかなー」って30分ぐらい悩むナカノヒトです。こんにちは。

 

3年周期ぐらいで新規サービス立ち上げの手伝いをするような飽き性な私ですが、

ちょうどいろんなところで顔出してて思ったことがあるので忘れ止めです。

 

Web・LP制作や社内の受発注管理、ASP仕入先との交渉を行ってたりするんですが、

それで思ったこととかしたためていきます。

※あくまで、中小企業が「これから新サービスやるぜ!ヒャッハー!」というときの場合の話です。大手の中の人だと多分話し変わるのであしからず。

 

 

1.Web上にある大手企業の事例を鵜呑みにしない

「この企業がこうやってうまくいったって話があって・・・」

というのがよくあります。これはね、分かる。事例ってリアリティあるからね。

 

でも、大手がうまくいったことを新進気鋭のベンチャーでの再現性は限りなく低いです。

かつ、事業としてのインパクトがでにくい。

 

例えば、『このツールを入れて離脱率が15%改善!』みたいなものがあったとして

それが、月に数百万・数千万のUUがあるECサイトなら売上として数億単位で変わるかもしれません。

 

ただ、自サイトのアクセスが数千・数百とかの場合、仮に同じ%で変化した場合、

数百人・数十人の変化になります。

 

「いや、数百人・数十人も大切じゃん」ってのは分かるよ。とても分かる。

でも、それって今のタイミングでやらなきゃダメなんですかね?もっと先にやることない?

 

…っていう、優先順位の話ですね。

「全ての事例が嘘で誇張でやらなくてもいいことだ!」とは言いません。

もちろん、「やったほうがいいこと」ってのはたくさんあるんですが、

「今、やらないといけないこと」ってのは実はもっとたくさんあることが多いです。

 

後述しますが、どこかの知らない世界の成功事例を鵜呑みにするより、

自社の施策やデータに向き合って考えたほうがよいと思います。

(もちろん知識として、どんなことができるか知ることは大切だと思いますが。)

 

 

2.解析やアトリビューションに過度な期待をしない

解析ツールをいれたがる人は多いのですが、個人的にはマジで不要だと思ってます。

理由としては、母数と工数の話しです。

 

まずは、母数の話。

そもそも、中小企業で新規サービスで立ち上げた場合、いきなりTVをやるだの広告予算を莫大に投下することはほぼ無いと思います。(VC入ってるスタートアップとかだと別ですけどね)

そうすると、そもそも見ることが無い。わけです。

 

更に言うと、解析の役割的な部分ですが、

・ここの数値が悪い→だからこう改善しよう!

・ここの数値が良い→もっと伸ばすためにこう改善しよう!

というのが正しい流れだと思うのですが、大切なのは後半のどう改善するか?の話です。

あくまで解析して分かる数値というのは単なるデータベースであり、

データベースは結論を出せません。(って、氷菓で福ちゃんが言ってました)

 

「それが分かったところでどうするか?」の話のほうが大切だということです。

(「でも、データがないと考えることができないじゃないですか?」って人はまぁしっかり解析したらいいと思いますけどね。)

 

 

 

3.(最初は)できる限り内製する

これは賛否分かれると思いますが…

これまでの付き合いがある懇意にしているパートナーさんがいる場合は別ですが、

新たにシステムを外注する、コールセンターをお願いするなどは適当にしないほうが良いと思います。

というか、できれば、内製したい。中で全てを完結させたい。

 

これはスピード感などの話です。

特にWebサイトの表面のクリエイティブな部分や、システムなどバックエンドでインパクトがでかい部分は、立ち上げ当初なんかは問題ばかりです。問題しか起こりません。泣きます。

 

特に、全く未経験での新規事業・サービスの場合、「どんな問題が起こりえるか?」というのも未知数な場合が多いです。

それを外注していた場合、どうなるかというと「予算が膨れ上がる」 or 「逃げられる」となります。

 

あとは、「なにが起こって、売上がたっているのか?」という部分が分からないと、

会社として資産が残りません。次やるときに苦労します。

 

じゃあ、マーケやる人がバックエンドのシステムを全て構築できて、

広告の運用スキルも磨いて、デザインも作れる必要があるか?と言われればそうではないです。

 

全てを理解して、最悪ケツがふけるレベルまでならなくても良いですが(なれればベターですが)、

「どれくらいの工数がかかるか?タスクとしてなにをしないといけないか?」

 

ということは把握できたほうが良いと思います。

 

という意味で、最初のうちだけでも自分で触って見るというのは大切だと思いますよ。

 

 

4.管理数値を減らす

これも賛否がありそうです。あとは代表者というか上長の気質にもよりそうですね。

 

「そもそもマーケティングをなんのためにするか?」みたいな話になりますが、

マーケの存在意義は営業のためです(と僕は思ってます)。

 

で、陥りやすい問題として『マーケのためのマーケ』を行ってしまうことです。

簡単に言うと、「営業が全く対応しない資料請求を多く獲得して、そのリストは放置」みたいな感じですかね。

売上に全く貢献しないのに、「これだけ見込み客を作ってるんだ!」みたいな状態。

 

いやこれは大切なんですよ。

リードジェネレーションがあって、ナーチャリングして、そっから売上立つんだ、と。

長い目で見たら必要なんだ、と。

 

これで大切なのは時間軸の話なんですね。

「じゃあ、お前が作ったリストは、どのタイミングで誰がどうやって使うんだ?」と。

 

で、その企画は考えられませーん。僕はマーケとしてリードをジェネしましたー。みたいなね。

やめよう、もうそういうのは。

 

ただ、これは会社としての方針にもよるわけです。

【ある程度のスパンで(多くは月次とかだと思いますが)、予算に対しての成果を報告しないといけない。】

というかたちの場合、見える数値をCVとして出さないといけない。

 

まさに本末転倒。マーケのためのマーケがこうして生まれるわけです。

 

なので、解決策としては、見るデータを減らせばいいと思ってます。

『いくら使って、いくら売り上げたか。』ぐらいまでね。

 

もちろん、細かい部分まで追えてればベターな話ではあるんですが、

人間の時間は有限なんだから、もっとインパクトのある施策を考えて実践する方に

時間を投下した方がいいと思うぜ。ってこと。

 

 

5.現場に向き合う

特にWebの担当者になると、Webの世界がリアルになってくるわけですが、

Webサイトや管理画面にはお客さんはいないわけです。あくまで足跡だけ辿れる感じです。

 

その先にはWebを使い、あなたのサービスを使っている人がいるわけです。

この人がいわゆる「客」と呼べる人です。管理画面の数値じゃないですし、レポートに書いてるデータでもないです。

 

思うに、マーケというのはそんなにキレイなものでもスマートなものでもないです。

ちょっとデータを見て、テコ入れをして、それで全てが丸く収まるものでもないわけです。

(そう感じることはあるかもしれませんけどね)

 

極端な話、コールセンターをやってみるとか、自分も営業に同行するとか、

そういうことをしたほうが、解析なんてするより遥かに分かることあると思いますよ。

 

 

6.やって見るほうが早い

最初のうちは、うだうだ考えてこっちがいいかなーあっちがいいかなーなんて考えてる時間がもったいないです。

もう、とりあえずやってみて、それでなんかダメな感じだったら戻せばいいわけです。

PDCAという言葉がありますが、最初のうちは、DCDCDDCぐらいでいいと思ってます。

内製にしたほうがいいって言ったのはこういうところもあります。

 

とりあえずやり続けてたら、解析をガッツリしなくてもなんか感じたりしたりするかもしれません(投げやり)

 

 

7.今が一番楽しいから大切に過ごす

これから今の商品・サービスが売れだして、人が増え、外注の仕組みも進み、

多くの人が絡んで、多くの予算を抱え、多くの人にあなたのサービスが届いたとします。

 

もちろん、それはとても素晴らしいことですし、もっと別のやりがいとか考えとかが

たくさん生まれてくると思います。

 

ただ、そのときになると「あの頃に必死で分けわからずにやってた時期があったな〜」と

思い返すタイミングが来ます。必ず来ます。 断言する、間違いなく来る。

 

それを一緒にサービス進めてた人と何年後かに酒を飲みながら話すのが最高に良い瞬間だと思うわけです。

やっているうちは、日々なんか分からず一日が終わり、職場とベッドを往復するような日々かもしれません。

なんのためにやってるのか、本当にこれでよかったのか、もっとできることはないのか。

と、悩んで夢にまで見ることも増えてくるかもしれません。

 

でも、そうして進んだ毎日はあとあとでは笑い話になるわけです。

だから、できる限り日々に絶望せず、やれることをやりきれるように、

やらないといけない優先順位を守って、毎日がんばりましょう。みたいな話です。

 

 

可能であれば、今やっているあなたのサービスがうまくいって、

数年後に旨い酒が飲めるようになることを祈っています。