方法論は無限。決めるのは自分。リスティング広告もまた然り。
新規の往訪先でWeb担当者と雑談していたら、
「リスティング広告の運用がつらい」という話になった。
よくある話である。
慰めになるのか分からないけれど、
僕個人の運用方法を伝えたら少しやる気になったみたいだったのでなによりなのだが、
毎回聞かれるのも億劫なので、文章にしておいて今度からはこれを見てもらおう。
現状で僕自身が運用しているアカウントは業種がほぼ絞られているし、
正直言って再現性が無いと思うので、内容だけを丸パクリするのはオススメしない。
内容については、1つの方法論として「こういうやり方もあるんだ」ぐらいで留めておいて欲しい。
あくまで、ひとつのやりかたってことで
僕が新規でリスティングアカウントを入稿する際に
最低限行っているルールが3つある。
①絞込部分一致だけしか使わない
②スマホのキャンペーンは別にする
③広告文は1本しかいれない
リスティング広告に携わっている人なら
「あ、こいつの運用アカンやつや」と気付かれるかもしれない。
待ってくれ。
あくまでこれは入稿ルールであり、運用方法は別にある。
運用方法は至ってシンプルである。
①LPをひたすら作り続ける
これだけだ。
もちろん、いろんなことを試みて行き着いた先がこれであるが、
これだけだと、「何を言っているんだこいつ。」と思われそうなので少し解説する。
前提として
僕はリスティング広告を卑下してないが過信もしていない。
そして、僕のやるべきことは広告を最適化していき、より自社の商品・サービスを知ってもらい購入してもらうこと。
分かりやすく言うと、売上を作ることである。
広告を運用する上での僕の客は商品・サービスを購入してくれる方であり、
決して、広告主ではない。ましてや、管理画面でないことはなおさらである。
そもそもリスティング広告を行うことは、あくまで広告を出す方法論の1つであり、
決して、アカウントを作りこむことが目的ではないわけだ。
(もちろん、それが求められる場面があることもある)
つまり、キーワード追加や広告文のテスト、予算調整等を行うこと自体、
あくまで1つの方法でしかなく、それが全てではないと考えている。
方法というのは無限に近いぐらいあり、
どれが良いか悪いかというのは、そのケースによって変わると思う。
(僕が、上記の入稿・運用を行うのも、特定の業種での話である)
なんでこんなやり方してるのか?
ではなぜ、僕がアカウントを作りこむことではなく、LPを作ることで最適化をしているのか?
これの答えは単純で、
①細かい作業が苦手
②費用対効果がよい
③与えるインパクトが大きい
の3つである。
>①細かい作業が苦手
これについては察して欲しい。
某番組ではないが、「俺はそういう人間だ」としか言えない。
もちろん、後天的に直せる部分ではあるが、ホントに向いてない。悲しくなるほどに。
だから僕は諦めた。苦手を克服するよりも得意を伸ばすことに専念した。
>②費用対効果がよい
LPを作ることはもちろんお金がかかる。
スポットでの費用はかかるが、作ったものはしばらく使える。
条件によっては、数年、そのまま使い続けることもある。
そのため、僕はLPを償却資産として考えている。
そうすると、一定の金額を投じたとしても、現状のCVRよりも数ポイント改善できれば、
早ければ1ヶ月。遅くとも1年ほどで償却し、それ以降はプラスになる。
そういう意味では、アカウントを作りこみ運用することにかける費用よりも、
運用をラクにし、LPを作るほうがはるかに費用対効果が良くなる。
>③与えるインパクトが大きい
自分が運用の手間、もしくは代理店に発注する費用を考えても、
中小企業が低予算でリスティング広告を行う場合の最大値というのは限度がある。
そのかけるコストや労力を考えると圧倒的にLPを作ったほうが改善値は大きくなる。
(あくまで内製していることが前提だが)
初心者には絶対に真似しないでほしい
これを見たリスティング広告の初心者の人は、ぜひとも真似しないで欲しい。
おそらくだが、うまくいかない。
先にも述べたとおり、最初からこのスタイルではなく、
結果、このスタイルに落ち着いているだけのはなしである。
さらにいうと、LPの量産体制も自分でやる(もしくは社内でスムーズに動ける)などが必須である。
例えば、僕の場合も広告の入稿自体はものすごくシンプルにまとめているが、
極端に言うと、天候によってスタートさせるキャンペーンが異なったり、
それに応じて広告文・LPも用意していたりする。
どっちがラクかというと、別にどっちがラクとかの話ではない。
あくまで、僕自信のスタイルに合っており、自分の中で一番最適化できる状態がこれだという話である。
>①絞込部分一致だけしか使わない
>②スマホのキャンペーンは別にする
>③広告文は1本しかいれない
このスタイルも理由がある。
①については、完全一致やフレーズ一致を入れたほうがもちろん良いケースのほうが多い。
ただ、先に述べたとおり、残念なことにそれを確認し手入れする能力が僕にはないし、
それを改善する気もない。
②についても同様である。エンハンストで設定したとしてもそこまで細かくは見ない。
管理画面を開いた時点で全体の動きをぱっと見でイメージできる状態にしたいのである。
上述の通り、僕の使命は「売上」であり「キレイな広告運用」ではない。
僕が管理「できる」ことが大切であり、それに応じて最適化していった結果がこれである。
③については下記。
広告文のテストォ?誰の金だそりゃ
「広告文をABテストを行うことで、CTRを見て費用の最適化を〜」
というのは至極まっとうだ。とても正論だと思う。
ただ、テストというのは一定の母数が必要である。
数十のクリックで判断というのは実はとても難しいことである。
特に、中小企業の月に数万・十数万などであればなおさらである。
であれば、だ。
ABではなく。渾身の。もうこれしかない1本を作ったほうが良い。と僕は思う。
ABテストというのはいわば逃げというか、別の要素をもたせている。
しかし、「もうこれで絶対に行けるだろ!」というところまで広告を突き詰める。
それに合わせてLPを作る。
そうすれば、往々にしてABテストするまでもないと思っている。
というか、自分の作る広告文に絶対の自信があるので、1本で十分である。
しかし、ニーズが不明確で〜ということであれば、
もうそれはワードを突き詰めるかLPを改善していくしかない。
例えば、ビッグワードの場合なんかは、ビッグワード用のLPを作る。
誰が見ても当たり障りないものだったり、すべての人を網羅できるようなものである。
僕は、とにかく広告にお金を使いたくない。
これは、経営者として、運用者としては非常にNGなスキルだと思っている。
要はチキンである。
だからこそ、最低の予算で最大の成果を。を常に考え、
行き着いた先がLPという選択を取っただけである。
もちろん、これが正解ではないし、押し通す気もない。
ここまで読んだ人は「そっちのほうが面倒じゃね?」という人もいるだろう。
僕もそんな気がしてきた。
方法論は無限。決めるのは自分。
あくまで方法論だからいろんなことができる。あとは考える。
とにかく、「考える→やってみる」の繰り返しだと思う。
管理画面の数字だけを見て、それをポチポチするだけが世界の全てではないし、
それは決してマーケティングではない。と、僕は思う。
マーケティングはとにかく思考が全てである。
事前の企画や検証、考察などがそれにあたる。
考え続けて欲しい。
だから、「リスティングがつまらない」という人にはもう一度考えて欲しい。
・管理画面がお客さんになっていないか
・本当に自分は頭を使って考えているか